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自分だけの物語

自分の物語を眺めるのが好きだ(笑)。

 

日記とも言い難い「物語」(としか言いようがない)を書き連ねて眺めると、自分が愛おしいと素直に思えるし、なによりどんな直木賞作品よりもおもしろいと思える。

 

私は、だいたい5年周期で住む街を変えてきた。子どもを授かってからは、珍しく10年同じ場所にいるけれど。

 

街を変えるたびに、人間関係も通うパン屋も一新する。誰も自分のことを知らないし、新しい物語が始まると思うとわくわくした。

 

そうして紡がれた物語たちを眺めると、あのときこの場所に行かなければ、この人とは出会わなかったし、この人と出会わなければ、まったく別の人生だったと不思議に思う。

 

今日もまた新しい物語が紡がれる。最後に会ってから10年を経た友人に会うために旅に出る。