毎日いろんなことが起こる。
こころはいつもちりちり乱れて。
小さな棘がなかなか抜けなくて。
でも、お茶のお稽古のときは、まさに「今ここ」にいることができる。
もちろんおいしいお抹茶とお菓子をいただくのが楽しくおいしいということもあるけれど、なによりお茶のお稽古もヨガと一緒で「今ここ」に集中せざるを得ないから。
なにゆえにヨガ?
ヨガにもいろんなヨガがあるけれど、最初に遭遇したヨガが「え、この形?」と自分の中ではありえない身体の型が続き、ラストに待っているのは激痛のローリング、背中の肉剥がし・・・
お茶に激痛のローリングはないけれど、一つの型を覚える間もなく、季節季節で手順が変わる。お道具で手順が変わる。
ひと手間増えるだけよと先生はにっこりする。
ひと手間って・・・
頭で覚えられないから、身体で覚えようとするもんで、そうするとその「ひと手間」(ひと手間かなあ?)で身体全体が止まってしまうのだ。
世の資格ビジネスとやらは、この「道」のお家元ビジネスをお手本にしているのではないかと勘繰っているのだけれど、それにしてもここまで手順を増やし、教養の守備範囲を広げさせ、お道具や着物の購入金額を上げ続けさせるビジネスはほかに知らない。
え?ほかにももっとある?
おそろしきかな。
でも、自分の中にある「怖いもの見たさ」を刺激する。
ゴシックホラー好きなこころを刺激する。
青天井だから楽しい。
ただおいしいお茶を淹れて、みんなと一緒に飲むことが。