(※写真は首塚とは関係ありません)
2009年1月、師匠と一緒に東京都千代田区にある首塚にお参りに行った。
首塚とは、平安中期の豪族である平将門公が起こした反乱で、討ち取られた将門公の怨念を鎮めるために建てられたと言われる。討ち取られた後、晒し首となった首はまったく腐らず、その後関東に向けて飛んで行ったという。
落ちた場所が「首塚」だ。
高層ビルに囲まれた小さなお墓は、お線香やお花が絶えない、なんとも不思議な空間だった。
なにせ東京のど真ん中だ。戦後のGHQからずっと移転の話が持ち上がり、そのたびに事故が起こって人が亡くなったり、関係者が病気になったりと、曰く付きの場所である。
ビクビクしながら手を合わせてお参りした。
隣で手を合わせていた師匠が言った。
「そんなに怒ってなかったね」
今振り返ると、なんじゃらほいと苦笑してしまうけれど、不思議なことに、それ以降すーっと見えない手枷足枷がはずれたように思う。
これまでも小さな人生のレールのポイント切り替えはいくつもあったけれど、割合大きなポイント切り替えだったと思う。ここから道が拓いていった。