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海の温泉

乗り鉄と言っても言い過ぎではない。

 

ただ余裕なしぞうなので、何かのついでで乗る。

 

乗ったついでに必ず温泉を探す。

 

わたしにとって旅は転機にはつながらないけれど、なぜか会社員時代も独立してからもずーっと旅をしている。

 

例の全身アトピー以来、温泉は必須アイテムである。

 

海の温泉、山の温泉、街の温泉・・・色々あるけれど、たまたま海の温泉に入ったので思い出した。

 

熱海も伊豆も、生まれた場所の温泉も、五能線沿いの温泉も、塩化物泉系の温泉は肌がつるっと柔らかくなる。アルカリ性の温泉とはまったく違った感覚でしっとりして大好きである。

 

中でも忘れられない海の温泉に青森県八戸の駅前にあったはちのへ温泉は赤褐色のナトリウム塩化物泉だった。

 

仕事前日に仕事仲間と入りに行った。パワフルな海の温泉はわたしのアトピーを癒すべく外に押し流した。つまり、少し収まりかけていたアトピーを排出しようとしてくれた。

 

見事に真っ赤になった。

 

それでもあの強烈なパワーは忘れられない温泉のひとつなんだけど、残念ながら今はもうない。

 

源泉が枯渇して閉館したという。

 

万物流転。永遠なんてないんだなとつくづく思う。

 

〇〇三昧?と訊かれたら、即温泉三昧と答える。

わたしの人生の旅にずっとつきあってくれる温泉には心から感謝している。