· 

こんなふうに暑い日は

たまたまそこにいる。

 

たまたま何かのイベントに出くわす。

 

たまたま知り合いに会う。

 

「たまたま」は本当に偶然なんだけど、まるで誰かが図ったようなタイミングを感じるときがある。

 

一時期、沖縄にご縁をたくさんいただいたときがあった。

 

たまたま中部で仕事を終え、夕飯を食べに外に出た。

 

ちょうど全島エイサーの行列が目の前を通る。

圧巻だった。

 

東京で見るエイサーとはやっぱり違う。

 

夜の空気の湿度。

踊り手の汗。

町中に響く三線、歌、太鼓の音色。

観客の熱気。

 

意図して観たのではなく、たまたまそこにいて、

ご褒美のように観せてもらえた。

 

こんなふうに暑い日は、ふとあの日の夜の匂いを思い出す。

たまたまだったから、心にひどく焼き付いた映像。

 

お昼ご飯を食べようと、ふと沖縄料理店に入って頼んだソーキそば。

思わずグラスでオリオンビールをお願いしてみたら、

「ごめんなさい、今切れてるの」

 

ああ・・・

コザで飲みたい。